MGと診断された時に
思ったこと
MGと診断された時に
思ったこと
自分が全く思っていなかった人生がこれから始まる
はまねこさん娘が「重症筋無力症」(以下、MG)と診断された時、“なんて怖い病名なんだろう”と感じました。自分が全く思っていなかった人生がこれから始まるのかと、覚悟が必要でした。
さわさん病名は怖いですが、私は息子の病気の診断がついてホッとした気持ちもありました。診断がつくまでは生きた心地がせず、地に足がついていないような日々でしたので、原因がわかってよかった、と思ったのです。その一方で、私も、これからがんばらないといけないなという覚悟が生まれましたね。息子の場合、短期間で診断がついたのは「運」しかありません。たまたまわかりやすく瞼が垂れてきて、かかりつけ医にMGの知識があり、紹介先の病院にその日、小児神経の医師が来ていたという、これは運としか言いようがありません。
はまねこさん私の場合も、最初に受診した眼科医にMGの知識があったこと、どこの病院に行けばよいのか相談した助産院の先生にもMGの知識があったことが功を奏しました。
えいこさんうちはMGが疑われながらも、なかなか診断がつかなかったのですが、インターネットで見つけて相談した患者会に、娘と同じような症状の方がいらしたことがきっかけで、ようやく診断がつきました。
“知ろうとしてくれているかどうか”が病院選びには大切
はまねこさん病院選びのポイントは、「気になる症状があるんですけど…」と言った時に、親切に対応してもらえるかどうかですね。MGについて詳しくなくてもいいんです。先生に「いっしょにやっていきましょう。僕も詳しくわからないのでいっしょに考えましょう」と言ってもらえると、すごく救われます。“知っていること”が大切なのではなく、“知ろうとしてくれているかどうか”が大切だと思います。私はブログをやっていて、たまに病院選びのご相談を受けるのですが、「これから長いつき合いになるので、ちゃんと話を聞いてくれるところ、親切な対応をしてくれるところに行ってください」と、私個人ではアドバイスさせていただいています。
子どもには、「いっしょにがんばるよ」と伝えたい
えいこさん子どもは意外と病状に無頓着で、ちょっと疲れているけど、明日はよくなる、明日はよくなると毎日思っていたらしいんです。「寝て起きたらよくなる」と。
はまねこさん日内変動*2もありますし、起きた時にスッキリしていることもあるのでしょうね。「何か今日はいい感じがするな」と。そう考えると、切ない気持ちになります。1~2歳での発症だと、負担を受け入れるのは主に親ですが、えいこさんの娘さんのように小学4年生での発症だと、その子自身が受け入れなければならない部分が多かったのでしょうか?
えいこさんはい。それも考えて、病気について詳しく説明したのは中学生になってからです。変な先入観をもって、自分で思い込むのもよくないと思い、先に延ばしました。ただ、発症した当時から、主治医との会話で、私が伝えるまでもなく本人もなんとなく病気のことはわかっているようでした。娘には、「携帯電話の充電が、普通の人だと100%あるところが20%くらいに減ってしまった、そんな病気なんだよ」と説明しました。
さわさん携帯電話にたとえるのはわかりやすいですね。息子が発症したのは1歳9ヵ月で、何もわからない年齢ですが、わからなくても最初からずっと話して聞かせていましたので、自然に受け入れてくれたようです。苦い薬を飲む時やつらい治療を受ける時には、何のためなのかを説明したら、がんばってくれました。
はまねこさんうちも同じです。「これからちょっと長い闘いが始まるよ」「いっしょにがんばろうね」というようなことを話してきました。これは、私自身を元気づけるためでもあるし、子どもに伝わろうが伝わるまいが、「一人ではないよ」「いっしょにがんばるよ」ということを伝えたいという気持ちが強かったです。
※2日内変動:症状が朝と夜で変わること。MGでは、筋肉をまだあまり動かしていない朝は症状が軽く、筋肉をよく動かした後の夕方以降は症状が重くなることがある。