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監修: 脳神経内科 千葉 川口 直樹 先生
市立宇和島病院 小児科 林 正俊 先生
  1. MG Source
  2. 重症筋無力症について
  3. どうして重症筋無力症になるの?

どうして重症筋無力症になるの?

免疫の異常により発症する自己免疫疾患

重症筋無力症は、神経と筋肉のつなぎ目でおこる異常が原因の病気です。免疫は本来、細菌やウイルスなどの病原体から身体を守るものですが、重症筋無力症では、自分の細胞を攻撃したり、邪魔したりしてしまう免疫の異常がおきてしまっています。こうした病気を自己免疫疾患と言います。

「自己抗体」が筋肉を動かす信号を邪魔することが原因

免疫システムの1つには「抗体」と呼ばれるタンパク質があり、病原体に対し攻撃を行うことで身体を守っていますが、何らかの異常で自分の細胞を攻撃してしまうことがあり、これを「自己抗体」と言います。そしてこの自己抗体が重症筋無力症の発症に深く関与しています。

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脳からの信号が神経をとおり筋肉に伝わることにより、体を動かすことができます。

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その際に、神経と筋肉のつなぎ目では、神経からの信号を筋肉が受け取ることで収縮します。

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ところが、重症筋無力症では、神経と筋肉のつなぎ目に異常がおきています。自己抗体が特定の補体とくっつくと補体系を活性化させ、神経と筋肉のつなぎ目の構造を破壊したり、アセチルコリン(ACh)などの信号を邪魔してしまいます。

ACh(アセチルコリン)

脳からの命令を筋肉へ伝える物質

AChR(アセチルコリン受容体)

筋肉側でアセチルコリンを受け取る

補体

身体を守る免疫システムの1つ

抗AChR抗体(抗アセチルコリン受容体抗体)

アセチルコリン受容体にくっつく自己抗体

AChR 以外にも筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)に対する「自己抗体」が関与することがあります。
AChR 以外にも筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)に対する「自己抗体」が関与することがあります。

参考文献

  • 日本神経学会監修 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン