重症筋無力症の治療
重症筋無力症の治療について
重症筋無力症の治療目標は、病気を完全に治すことはできなくても、日常生活には支障がない状態を目指すことです。治療によって多くの患者さんは症状が改善し、全体の半数以上の方は支障なく日常生活を送ることができるようになっています。とはいえ、薬の服用を続けている場合を含めても、ふたたび悪化する可能性もあるため、注意深く経過をみることが大切です。
実際の治療は大きく分けて以下のとおりになります。
それぞれの治療法の解説は次のページから詳しくみていきましょう。
- 胸腺摘除
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胸腺摘除術
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ステロイド薬*1, 2
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ステロイド治療
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ステロイド薬以外の免疫抑制薬*2 (カルシニューリン阻害薬など)
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免疫抑制薬
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抗コリンエステラーゼ薬
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抗コリンエステラーゼ薬
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免疫グロブリン静注療法(IVIg)*1
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免疫グロブリン静注療法(IVIg)
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血液浄化療法
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血液浄化療法
- 補体阻害薬
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補体阻害薬
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胎児性Fc受容体(FcRn)阻害薬
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胎児性Fc受容体(FcRn)阻害薬
- *1 一部のステロイド、免疫グロブリン静注療法(IVIg)はMGに対しては使用できません。
- *2 過剰になった免疫反応を抑える薬を免疫抑制薬と呼び、ステロイドやカルシニューリン阻害薬などが含まれます。なお、一部の免疫抑制薬はMGに対しては使用できません。
どのように治療を選択する?
以下の4つの要因から治療法を決定します。ただし、症状のあらわれかたには個人差があり、変化も大きいため、具体的には各種の検査に基づいて治療法を決めていきます。
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①自己抗体
抗AChR抗体陽性、抗MuSK抗体陽性、抗体陰性など
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②病状分布
眼筋に限定、全身型
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③重症度
軽症~中等症、重症~クリーゼ
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④病型分類
胸腺腫の有無、早期発症(50歳未満)か後期発症(50歳以上)か
参考文献
- 日本神経学会監修 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン