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監修: 脳神経内科 千葉 川口 直樹 先生
市立宇和島病院 小児科 林 正俊 先生

講演1
「重症筋無力症とファミリープランニング」

講演1
「重症筋無力症の最近のトピックス」

東京女子医科大学脳神経内科 特命担当教授 清水 優子先生

・重症筋無力症患者さんの妊娠、出産ファミリープランニングのまとめ
●妊娠:妊娠により、おなかの赤ちゃんへの免疫寛容が働いて、重症筋無力症の疾患活動性を高めてしまう可能性があります。そのため、妊娠前から積極的な治療を行い重症筋無力症を安定させることが元気な赤ちゃんを出産するためにはとても重要です。
●最新情報を知る:免疫抑制剤*の添付文書が最新のものに変わりました。
今まで妊娠中の患者さんへの投与が「禁忌」だった一部のお薬では「妊婦または妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」となりました。病状を安定させるために治療を行うことは非常に重要です。

*一部の免疫抑制剤は重症筋無力症に適応がありません

●治療:適切な治療を決して中断せず、妊娠、出産に備えてください。
●出産時:出産時には産婦人科、小児科、麻酔科のスタッフの方たちとの連携が非常に重要です。医療スタッフは新生児一過性重症筋無力症についてよく御存じですので、万が一に備えてしっかり対処していただけます。
●授乳:授乳時には現在お飲みになっているお薬が併用できるかどうかの確認を行ってください。もし飲まれているお薬の赤ちゃんへの影響の心配がある場合には、妊娠と薬情報センターの情報が役に立ちます。
●育児:疲れてしまうとなかなかうまくできないこともあるかと思いますので、本当に育児は大変です。遠慮せずに周りの方たちにも育児に加わってもらいましょう。




講演2
「実際にやってみよう。重症筋無力症の運動・リハビリテーションのコツ」

講演2
実際にやってみよう。重症筋無力症の運動・リハビリテーションのコツ」

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 身体リハビリテーション部
理学療法士 加藤 太郎先生


「動けない」ことと「動かない」ことは違います。
重症筋無力症の方でも運動することは大事です。ただ、「疲労が症状のひとつ」のため、疲れをどのように捉えて運動を取り入れていくかがポイントです。
症状が重度の場合は安静が望ましいですが、症状がコントロールされている日常生活で運動することは可能です。

疲れが主症状のMGの方々が、リハビリテーション・運動を日常生活に取り入れるポイント
1.症状から考える
【症状】運動の反復や持続に伴い筋力が低下する易疲労性(休むと回復する)
⇒反復動作、持続運動は避ける。一つ一つの運動は軽めの負荷、少ない回数の運動をしましょう。
⇒低負荷・少ない回数の運動を休みを入れながら、頻度を多めに行うとよいと思います。 【症状】夕方に症状が悪化するという日内変動
⇒運動する時間を工夫しましょう。午後の運動は避けて、午前中に運動することがポイントです。
【症状】日によって症状が変動する日差変動
⇒疲労を感じる日は運動せずに休養することも大切です。

2.疲労から考える
-疲れている部位を正確に捉えて疲れていない部位をトレーニングするということは十分に可能です。
-筋肉が疲れている感じがある場合は、例えば筋トレにこだわらず、有酸素運動や、ストレッチング、あるいはバランスをとる運動を選択することもできます。
-今日の調子、疲れ具合を6段階くらいに分けて疲れの程度を日々ノート・手帳に記録し、
これを運動に結びつけていくと、自分の疲れ具合に合わせて「できる運動を選択する」ということもできます。
ご講演内で、紹介している「座ってできる運動」は、下記2次元コードでアクセス可能なYouTubeでご覧ください
(URL: https://www.youtube.com/channel/UCzLGPX7WFPeAH6ewjS_JDJw
もしくはYouTubeで「yorimoto keisuke」「筋肉貯金」で検索ください)。