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監修: 脳神経内科 千葉 川口 直樹 先生
市立宇和島病院 小児科 林 正俊 先生
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  2. 患者さんストーリー
  3. 小児MG親子座談会 親も子どももプラス思考で
  4. 子どもの育て方のポイント

子どもの育て方

のポイント

困った時にどうしたいのかをうまく伝えられるように

困った時にどうしたいのかをうまく伝えられるように

えいこさんとにかく伝えることを覚えてほしいと思っています。MGは周りの人の助けが必要な病気ですので、困っている時は恥ずかしがらずに人に頼り、どう困っているのかをうまく伝えられるようになってほしいと思って育ててきました。人の気持ちを考えることも大切ですね。

さわさん私も同じです。担任の先生には「何かあったら先生に伝えるように言ってありますので、相談に来たら対応をお願いします」とお話ししてあります。実際、お友達にちょっとからかわれたことがあったのですが、その時に本人が自分で先生に相談し、先生から道徳の時間にクラスの皆に話してもらったようです。実は息子には内緒で先生と連絡をとりながら様子を見ていたのですが、自分で解決できていたので、私はなるべく出ずに、できることは自分で解決するように見守りました。

はまねこさん私も以前、ある医療従事者の方にこう言われました。「どうしたいのか、とにかく聞いてあげてほしい。それで失敗してもよい。うまく伝わらなかったり、からかいがすぐにはやまないこともあるかもしれない。ただ、親が勝手に先生と話を進めたり、子どもをおいてきぼりにしてヒートアップするようなことだけは絶対にやめてください。子どもは結構傷つきます」と。だから、どんなに小さい子どもでも「どうしたい?」「どうしてほしい?」と、本人に聞いて、当事者をおいていかないことが大切だと思います。

がんばり過ぎない、無理をしないことも大切

えいこさん“がんばり過ぎない”ことを教えるのも大切ですよね。昔、体育の授業中に娘ががんばって走っているのを見て、周りの方々がすごく応援してくれたらしいんです。逆にそれでがんばり過ぎてしまい、クリーゼ*3を起こしそうになったことがありました。それ以来、「がんばり過ぎない」「のんびり」というのが我が家のモットーになりました。

はまねこさん子どもの「もっとできるような気がする」という気持ちの高揚は大切にしたいので、むずかしいですね。「これ以上は無理」と、自分で頃合いを知っていくしかないですね。

えいこさん病気との長い付き合いのなかで、病気と向き合いたくないという時期がありますので、そういう時は無理をさせないことも大切だと思います。娘は今、大学生になって、念願のひとり暮らしを始めてすごく楽しそうです。そうやって、好きなこと、やりたいことが1つずつかなっていくとよいなと思っています。

※3クリーゼ:急に症状が悪化し、呼吸ができなくなる状態。

マイナス思考からプラス思考に転換できるような人間に

マイナス思考からプラス思考に転換できるような人間に

さわさん病気を理由に卑屈になったりしないでほしいな…というのが願いです。それに加えて、自分がやりたいと思ったことに、ためらわずに挑戦できる子でいてほしいと思います。

はまねこさん私も、病気をマイナス要因にしないような生き方をしてほしいです。MGである限り、体力的な限界はあると思いますが、「これ以上はできない」ではなく「ここまではできる」と、マイナス思考からプラス思考に転換できるような人間になってほしいと思っています。考え方を変えると、見る世界もきっと変わってくると思います。

さわさん私たち親も同じで、自分の人生を楽しく生き、子どもが安心できるような母親でいたいなと思います。